妖精スターティの故郷話その4
★妖精スターティ:『あ、えと、妖精スターティの今日の小話!9回目です。知らない方は、知らぬが仏で・・・
ホットケーキッ!
・・・カレー味!?
シリーズ7回目“妖精スターティの故郷話その4”ですよう。お久しぶり。
★顔が崩れた岩石の妖精が、「呪われた冒険者の店」に入ったとこからです。
中は、広くなっていて、雑貨屋よろしく雑多な商品が所狭しと、置かれています。棚もびっしりです。
奥にカウンターがあり、紫のガウンをまとった、長い黒髪の女性が、椅子に座っていました。
下唇左下の小さなホクロが印象的です。
頭には、銀製の頭輪を着けています。
『ようこそ、リズア・ハーフティンの"呪われた冒険者の店"へ』
★岩石の妖精は、『泉の妖精が顔に当たってコノ有様じゃ、薬をくれ』と言って、銀塊を差し出しました。
リズアさんは、『あら、大変ね。』
と、あまり大変そうでない口調で、棚に視線を流しました。
『室内の空気が、美味しくなったみたいだわ、あなたのおかげね?』
薬瓶と交換に銀塊を受け取りつつ、リズアさんが、私に語りかけてきました。
『泉の妖精ですから、勝手に浄化しちゃいますよう』
私は、答えました。
★入り口の青銅製扉が開いて、誰かが入ってきました。
『この間見た、魔法剣は、まだ、あるかな?』
ディスマスが、リズアさんに尋ねました。って、ナヌー!?
『ちょっと!ディスマス!女王様のお首を返しなさいよう!』
『む!泉の妖精が、ここまで追ってきたか!しかし、残念だな。首は、持ってないぞ!』
『ナヌー!?どこに!捨てちゃったの?』
『主に、献上した!ついでだ、貴様の命も頂こうか!』
ディスマスが、腰の黒い剣を抜きました。
★『ちょっと・・・店で、剣を抜いてはダメよ?』
リズアさんが、カウンターに両手で頬杖をつきながら面倒くさそうに言います。
『直ぐに終わる。』
ディスマスの剣が素早く動きます。
瞬間に目の前が真っ白になりました。って、また、2週間??
★目が覚めると、まだ、店の中です。横たわってませんね?
何かな?この黒こげは?
『妖精の炭焼きじゃな。ワシは、フライが好みじゃ。』
岩石の妖精が、感想を述べました。
『泉の妖精さんは、何か買うのかしら?』
リズアさんが、私に聞きました。
『黒こげですね。』
私は、答えました。
『剣を収めないからよ。』
リズアさんが、咎めました。
『・・・うわー!女王様の手がかりが無くなっちゃいましたよう!』
困ったことになりました。
『どういうことかな?ワシに話してみよ。』
岩石の妖精が、聞いてくれました。カクカクしかじかです。
★『それは、一大事ではないか?世界のバランスが狂ってしまう。』
岩石の妖精が、唸りました。
『ディスマスの主ってドコにいるか知らないですか?』
岩石の妖精と、リズアさんに尋ねます。
『知らぬなぁ』
岩石の妖精が答えました。
『私も知らないけど・・・』
『けど?』
『ヒントをくれる品物なら、扱っていますよ。』
リズアさんが、棚から、拳大の石ころを持ってきました。
『“意思を持つ石”という魔法の品よ。ダークフォレストの歴史の知識が込められているわ。』
『でも、私、お金が、ありません。』
『そうね、妖精さんの髪をひとつ頂けます?』
それなら、簡単です。
★早速、使ってみます。
『ええと、ディスマスの主の居場所が知りたいです。』
“意思を持つ石”に、語りかけてみました。
石は、薄紫の光をぼんやり放つと、老人の低い声で語り始めました。
『・・・ディスマスの主について語ろう。
そもそも、ディスマスとは、ピクシーディモンナイトのことである。
ピクシーディモンとは、そもそも、ピクシーと呼ばれる妖精が、ダークフォレストの魔力により変質したものであり、魔力とは、すなわち、魔界の穴よりもれ出るものを指す。魔界の穴は・・・
★リズアさんが、あくびをしています。岩石の妖精は、『腹が減ったなぁ』と言ってます。
そういえば、そろそろ夜です。
『・・・であり、ディスマスは、その家系において、エリートとして、主に仕えることとなった。
主とは、魔界においては、それほどの地位ではなく、魔界においては、数多くいるディモンとの差は、ないともいえる。
主が、生まれた場所の記録は、残念ながら、ワシの知るところではないが、主が、最初に、ダークフォレストに出現したのは、いまより、300年前・・・』
『なかなか、主の居場所まで、話が、来ないですよう。居場所~』
『んー、我慢してね。ワインでも飲んで、待ってくださいな。』
リズアさんは、言いました。
えー!?
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