妖精スターティの故郷話その2
★妖精スターティ:『えとえと、妖精スターティの今日の小話!第3回目ですよう。知らない方は、知らぬが仏で・・・
ホットケーキ!
…大声でも寒すぎ…
えと、シリーズ三回目“妖精スターティの故郷話その2”です。じゃじゃん。
★えと、前回は、泉の妖精の女王様が首チョンパーを食らいました。そこまで話しましたよね?
仲間の妖精達が大慌てで、首の切れ目から飛び出す液体を止めようと駆け寄りますが、液体の勢いは凄まじく次々と渦に巻き込まれてしまいます。
★見上げると、女王様の首から上が、湖面を目指して凄い勢いで上昇しています。
女王様の首は、微笑んだまま湖面を突き抜けて空へと舞い上がりました。
私も女王様の液体の渦をすり抜けて、湖面を突き破って、首を追いかけます。
★『むむ!追いかけててくるとは予想外!』
何者かが、女王様の首を頭から抱えていました。コウモリの羽を持った黒い妖精です。
私は、問います。『あなたは誰?』
『問われて名乗るもおこがましいが、答えよう!我は、ピクシーディモンナイトの、ディスマスだ。お前たちは、お終いだ。女王の首は頂いた。泉は枯れるであろう!』
腰に、黒く細い剣が下げられています。多分、これで、首チョンパーしたのです。
『女王様は、不死の存在ですよう?チョンパーくらいじゃ死なないですよう』
『ゲラゲラ、残念だな。こうやって首をハネレバ、血が流れて枯れちゃうのさ。』
『ええ!そうなの!?』
知りませんでした。
★ディスマスは、そのまま、西へと飛んで行きます。追いかけて首を取り返さないといけません。
『まってぇー!』
待ってくれそうもありません。私は、生まれてから一番の速度で飛んで追いかけました。
肌を覆うフェアリーパウダー(妖精の粉)が、風に煽られて銀色の光を放ちながら、後方へと流れていきます。綺麗です。
★気が付くと、追いついていたようです。いえ、違います。知らない内に、私の側に、来ていたのです。
見覚えのある「腕」が、飛びました。私のです。腰から下が、地面に落ちて行くのが見えました。
瞬間で、意識が無くなりました。
★目が覚めたのは、湖の底でした。妹の「エンディ」が、
『あなた、死んだのよ?』
と、言いました。
『・・・てことは、2週間たっちゃった?』
私たち泉の妖精は、死んでも水滴に変化して、2週間で元に戻ります。
『そうよ、でも、女王様の居所が分かったわ。』
エンディが、言いました。
★エンディの話では、女王様の体から流れ出た血、緑の液体は、湖から繋がる世界の泉すべてを、満たして、枯れた泉は、今は、ないということ。
首からしたの女王様は、指で、湖底の砂で、現在位置を示す地図を書いてくれたようです。
★泉の妖精の中でも力のある私と、「エンディ」「ミディ」とで、女王様を、助けることにしました。
女王様のお城の倉庫から、巻物や、持てそうな道具を袋に詰めて準備万端です。
ずっと、黙っていた「ミディ」が、突然叫びました。
『ああ!大変だ。女王さま!』
私と、エンディは、ビックリして、首の無くなった女王様を見ました。
『女王さまの首が無い!』
・・・うん、無いよ
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